はじめに
私たちは「眠ろう」と頑張りすぎています。
しかし睡眠は努力の結果ではなく、心身が静まった結果として起こる自然現象です。
その“静まる状態”をつくるための古くからの実践が、瞑想です。
瞑想は現代ではリラックス法やストレス対策として知られていますが、もともとは仏教に由来する精神修養の方法です。本来の意味を尊重しながら、日常生活に活かせる部分を取り入れていきましょう。
王道の瞑想とは何か
瞑想の源流にある代表的な方法が
・サマタ瞑想
・ヴィパッサナー瞑想
の二つです。
■ サマタ瞑想 = 心を静める実践
何をするのか
呼吸など一つの対象に意識を置き続ける
本来の目的
心の散乱を止め、集中力と安定を育てる
実践で起きる心身の変化
✔ 呼吸が整う
✔ 神経の興奮が下がる
✔ 身体の緊張がゆるむ
これは結果的に 副交感神経が優位になる状態 を作ります。
■ ヴィパッサナー瞑想 = 気づきの実践
何をするのか
呼吸・体の感覚・感情を評価せず観察
本来の目的
心の反応や執着を理解し、自由になる訓練
実践して起きる心身の変化
✔ 不安に飲み込まれにくくなる
✔ 思考のループが弱まる
✔ 感情が安定する
なぜ瞑想は眠りの助けになるのか
睡眠を妨げる最大の要因は「脳の興奮状態」です。
| 状態 | 眠れない原因 |
|---|---|
| 思考が止まらない | 脳の覚醒 |
| 不安 | 神経過敏 |
| 緊張 | 交感神経優位 |
サマタ瞑想は思考を減らし、
ヴィパッサナーは不安を客観視させ、
神経系の興奮レベルを自然に下げる 方向に働きます。
眠りを“作る”のではなく、
眠りに入れる状態を整える。
これが瞑想の役割です。
子どもにもなぜ有効か
子どもは感情調整機能がまだ未発達で、刺激に過敏です。
サマタ型の呼吸瞑想を取り入れると
✔ 落ち着きが出る
✔ 入眠しやすくなる
✔ 学習前の集中力が上がる
海外では「Breathing Meditation for Kids」(リンクは例)として教育現場でも活用されています。
その他「なぜスポーツをすると、仕事や勉強ができるようになるのか」も是非ご参考にして下さい。
生涯スポーツナビとしての視点
瞑想は一度で効果が出る魔法ではありません。
スポーツと同じく、継続によって心身の質を整える習慣です。
本来の精神的背景を尊重しながら、
現代の生活に役立つ部分を丁寧に活かす。
この姿勢が大切です。
【実践】サマタ瞑想(眠る前、朝起きた時など)
- 背筋を伸ばして座ります(胡座、椅子など自分にあった楽な座り方でOK)。
- 目を閉じます。できるだけ動かないように姿勢を固定します。
- 呼吸を整えます。手は両腕を前に組んでも、足の上に置いても構いません。
- 鼻の入口一点に集中し、出入りする空気の流れを観察します
- 最初は5分程度でOK(慣れてきたら長くしていきましょう)
半眼&半跏趺坐の日本独特の座禅もサマタ瞑想と位置づけられています
【実践】ヴィパッサナー瞑想(眠る前、朝起きた時など)
- 背筋を伸ばして座ります(胡座、椅子など自分にあった楽な座り方でOK)。
- 目を閉じます。できるだけ動かないように姿勢を固定します。
- 呼吸を整えます。手は両腕を前に組んでも、足の上に置いても構いません。
- 頭のてっぺんからつま先まで身体の表面をなぞるように観察して、身体の表面の感覚を感じます。
- つま先まで観察したら頭頂に戻ります。
- 観察していると雑念が浮かんできますが、「妄想・妄想・妄想」と頭の中で雑念にラベリングをします。
- 身体のかゆみやしびれなども観察して、「かゆみ」「しびれ」などと頭の中でラベリングします。
- 最初は5分程度でOK(慣れてきたら長くしていきましょう)
おすすめサイト
〇瞑想法(仏教色強い):サマタ瞑想、ヴィパッサナー瞑想(FLARE PLUSさん)
〇寝ながら瞑想(アプリあり):寝ながら瞑想のやり方を具体的にご紹介!(Relookさん)
〇動画(Japanese YOGA なつみさん):こちらの動画は初心者でも分りやすく、かつ丁寧にヴィパッサナー瞑想法の紹介をしています。是非、動画を流しながら一緒にトライしてみて下さい。
まとめ
瞑想は本来、心を理解するための実践です。
しかしその過程で、現代人にとって価値のある「眠りへの橋渡し」が起こります。
王道を忘れず、生活に活かす。
それがこのシリーズの姿勢です。
参考文献・資料
- 『ブッダの瞑想法:ヴィパッサナー瞑想の理論と実践』 地橋秀雄著(春秋社)
地橋氏は長年にわたってヴィパッサナー瞑想の研究と普及に取組んできた一人です。 - 『マインドフルネス 最高の休息法』 久賀谷亮著(ダイヤモンド社)
脳科学と瞑想をリンクさせたベストセラー - 『子どもたちのためのマインドフルネス』 ダニエル・J・シーゲル著
子どもにも有効であることを紹介しています - 厚生労働省 eJIM「瞑想」
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