ダイエットの本来の目的は、単に「体重を減らすこと」ではなく、健康的に体組成(体脂肪と筋肉のバランス)を改善することにあります。
トップアスリートは科学的根拠に基づき「筋肉を守りながら脂肪を減らす」減量を行っています。この原則は、一般の健康管理やボディメイクにも応用可能です。
1. 「何を減らすか」が成否を分ける
体脂肪と除脂肪組織の理解
私たちの体は大きく
体脂肪
除脂肪組織(筋肉・骨・水分・内臓など)
に分けられます。
■ 体脂肪の役割
エネルギー貯蔵だけでなく、体温維持やホルモン分泌に関与する重要な組織。
■ 除脂肪組織の重要性
特に筋肉は基礎代謝を支える“燃焼エンジン”です。
ダイエットで最も避けるべきなのは、筋肉や水分などの除脂肪量の減少です。
スポーツ医学では、体重の約2%に相当する脱水で持久力や認知機能の低下が起こることが報告されています(ACSM)。
つまり、水分を削る減量は「軽くなった」ように見えても、実際は体に負担をかける危険な方法です。
〇健康的な減量とは
「除脂肪を守りながら体脂肪だけを減らす」こと
2. 運動戦略
有酸素運動とレジスタンス運動の使い分け
■ 有酸素運動:脂肪燃焼の主役
ウォーキング、ジョギング、水泳などは一度に多くのエネルギーを消費します。
内臓脂肪減少や心血管系の健康維持にも有効で、減量の中心になります。
■ レジスタンス運動(筋トレ):痩せやすい体を作る
筋トレは消費カロリー自体は有酸素より少なめですが、
筋量維持
基礎代謝低下の防止
リバウンド予防
において極めて重要です。
高強度運動後にはEPOC(運動後過剰酸素消費)により代謝が一時的に高まります。ただし、減量効果の中心は依然として「総消費エネルギー量」であり、EPOCは補助的効果と考えるのが科学的に妥当です。
〇 結論
有酸素+筋トレの併用が最も効率的
3. 継続の科学
「トータル時間」と「休息」
かつては「20分以上連続で運動しないと脂肪は燃えない」と言われましたが、現在は否定されています。
■ 分割運動の有効性
1日の中で数回に分けて行い、合計時間が確保できれば効果は同等。
WHOは週150分以上の中強度身体活動を推奨しています。
実際に、チョコザップ(chocoZAP)や24時間ジムなどのフィットネス施設は、この考え方と非常に相性が良いと考えられます。
〇大事なのは
1回の長さより“総活動量”
■ 休息の重要性
筋トレは筋繊維を刺激する行為。回復時間がなければ逆効果になります。
理想のスケジュール例
| 種類 | 頻度 |
|---|---|
| 有酸素運動 | ほぼ毎日 |
| 筋トレ | 週2〜3回 |
4. アスリートの減量から学ぶべき点・注意点
トップアスリートは科学的に減量しますが、競技によっては短期間の脱水や急激な体重操作を行うこともあります。
これらは健康管理目的には適しません。
本記事で紹介しているのは
✔ 筋肉維持
✔ 脂肪燃焼
✔ 継続可能性
に基づいた一般向けの安全な原則です。
結論
正しいダイエットとは、身体の仕組みを理解し、
「筋肉を守り、脂肪を燃やし、総活動量を積み上げる」
という科学的原則を続けること。
アスリートの減量は「極端」ではなく「合理的」。
その考え方を日常に応用すれば、リバウンドしない体づくりが可能になります。
参考文献
- 「アスリートの科学」久木留毅著
- Sawka MN, et al. (2007). American College of Sports Medicine position stand. Exercise and Fluid Replacement.
- Donnelly JE, et al. (2009). ACSM Guidelines for Weight Loss and Prevention of Weight Regain for Adults.
WHO Physical Activity Guidelines (2020)